


渥美運輸株式会社
2025.07.30
クレーン
物流
運送
建設現場や土木工事で「ラフタークレーン」という特殊車両が活躍していることはご存じでしょうか?また、このような車輌を運送会社が保有していることはお気づきでしょうか?限られたスペースでの作業が求められる現代の現場において、ラフタークレーンの存在は極めて重要であり、いまや建設機械の中でも特に実用性の高い車輌となっています。
本記事では、「ラフタークレーン」について解説します。
通称「ラフタークレーン」の正式名称は「ラフテレーンクレーン(Rough Terrain Crane)」です。その名の通り、「荒れた(rough)」「地形(terrain)」において利用される高性能なクレーン車となっています。クレーン車は他にも、トラッククレーン、積載型トラッククレーン、オールテレーンクレーン、クローラクレーンといった車輌が代表的ですが、ラフタークレーンは特に小回りの利く車輌として活躍しています。
ラフタークレーンの最大の特徴は、「走行」と「クレーン作業」の両機能を一体化した構造にあります。似たような車輌にトラッククレーンがありますが、ラフタークレーンであれば走行とクレーン操縦を一つの運転室で行うことができます。また、車体には4輪駆動・4輪操舵のシステムが搭載されているため、小回り性能に優れ、不整地や傾斜地でも安定した走行が可能です。加えて、一般的なクレーン車両と異なり、現場に着いてすぐにアウトリガー(安定脚)を展開してクレーン作業を開始できるため、設置や準備にかかる時間が非常に短い点もラフタークレーンの特徴の一つと言えるでしょう。
機動力が高く、柔軟性に長けたラフタークレーンは、様々な現場で活躍しています。
特に、再開発や建替工事が盛んな都市部のような、通行人や周辺建物への配慮が求められる場面において、限られたスペースで中規模設備や重量物を取り扱うことのできるラフタークレーンは重宝されます。
物流の現場では、ただ荷物をトラックで運ぶだけでは完結しません。例えば精密機械の搬入では、トラックから降ろして設置場所まで移動し、所定の位置に据え付けるという一連の作業が必要です。本項では、ラフタークレーンと物流の関係について紹介します。
狭所や悪路でも作業が可能で、高所にも正確に荷物を配置できるのがラフタークレーンの強みです。したがってラフタークレーンは、工場敷地内、倉庫周辺、都市部の建設現場など、あらゆる現場で幅広く対応することができます。倉庫そのものの建設・増設・修繕といった場面でも、倉庫の屋根や高所に設備を設置する際や、太陽光パネルの架台工事、搬入用の大型シャッター部材の設置など、精密な吊り上げ作業を必要とする場面で、ラフタークレーンの操作性が重宝されます。
物流の現場では、コンテナ・建設資材・機械装置などの人力やフォークリフトでは扱えない重量物を運ぶ場合があります。ラフタークレーンは、高い吊り上げ能力(10~70トン以上)と比較的小スペースでの作業能力を兼ね備えた車輌です。物流倉庫を始めとした現場で、トラックの荷台から安全かつ効率的に吊り下ろしたり、倉庫内外に中~大型の設備を据え付けする際に真価を発揮します。
ラフタークレーンを保有することで、運送会社は建設現場での作業任務を請け負う以外にも、「運送+荷役+据え付け」の一連の作業を一括で請け負うことができます。この体制を整えることで、顧客は一つの窓口とのやり取りで済み、全体の工程管理もスムーズになります。また、サービスの高付加価値化による競争力の向上も見込めます。単なる運送業務では価格競争に巻き込まれやすく、他社との差別化が困難ですが、据付作業まで対応できる運送会社は、「運ぶだけでなく、設置まで任せられるパートナー」として認識され、顧客の信用を得ることができます。
ラフタークレーンは独自の個性を生かして、多様化する業務の中で活躍の場を広げています。単なる移動手段ではなく、物流プロセス全体をカバーするツールとしてラフタークレーンを活用することで、物流会社はサービスの幅を広げられることでしょう。
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